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和装の結婚式で「白無垢」をオシャレに着こなす方法
白無垢は和装の中でも最も格式高く、花嫁衣裳として室町時代頃から着用されている真っ白な着物です。清楚で淑やか純真無垢で“結婚相手の家の色に染まります”という意味が込められていると言われています。
でも、どれも同様に真っ白な白無垢をどのように選べば良いのか。今回は白無垢に関する情報をご紹介します。オシャレに着こなすために白無垢の知識を深めましょう。
白無垢の選び方
日常着が洋服である私達にとって、和装は非日常的なものであり、さらにその中でも白無垢は、ウェディングドレスのように目に分かる形の違いも少ないため、その選び方に悩まれる方もいらっしゃるでしょう。ここでは白無垢を選ぶ際のポイントをご紹介いたします。
ポイント①:色味の違い
白無垢と言っても、ウェディングドレスと同じように、その色味には純白なものから生成り(アイボリー)のものまで、色味の違いがありあす。その色味と、ご自身のもつお肌のトーンや瞳の色との相性により、お顔写りが異なります。自分に似合う「白色」を見つけましょう。また、同じ白でも刺繍や縁取りによっても受ける印象が異なりますので、実際に羽織ってみてしっくりいくもの、納得するものをお選びになることをおすすめします。
ポイント②:生地の違い
白無垢は素材や織、刺繍の品質により価格が異なります。
「正絹(しょうけん)」と言う天然シルク100%で織られた生地は、天然素材であることから色味は生成りがかったアイボリーの色味で上品な光沢があります。肌ざわりが良く、しなやかで着崩れしにくいのが特徴です。
「化繊(かせん)」と言って化学繊維であるポリエステルなど人工の素材で作られた白無垢もあります。化繊は正絹に比べて価格はお手頃ですが、張りがあって硬めの生地のため着崩れしやすいというデメリットもあります。また、純白で光を反射する性質であるため、美しい柄であっても写真に撮ると反射してしまい、せっかくの美しい柄が見えないというケースもあります。
「交織(こうしょく)」と言う正絹と化繊の糸を織り、それぞれの良さを取り入れた生地もあります。
価格も大切な判断基準ですが、白無垢を着るシチュエーションや、その生地特有の色味、羽織ってみての感覚を大切に選ぶのがおすすめです。
ポイント③:デザイン・柄の違い
白無垢には刺繍の他、箔押しや唐織など、さまざまな技法を用いられてデザインが施されています。お好みでお選びになるのも良いですが、一般的には、背の低い方は小さな柄、背の高い方は大きな柄が似合うと言われていて、また、その柄の入る位置(特に顔周りや後ろ姿、外袖)によっても受ける印象が異なります。実際に羽織ってみてご自身の印象、お顔立ちとのバランスを考えて白無垢を選びましょう。
また、刺繍、柄などにもそれぞれ意味が込められているので、ご自身で見立てが難しい場合にはプロのアドバイスを参考に選ぶと良いでしょう。
白無垢のコーディネートを楽しむ方法
白無垢はどれも同じに見える、とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は髪型や髪飾り、小物を使って全く異なるコーディネートを楽しむ方法があります。
ここでは白無垢に合わせる代表的なコーディネートをご紹介いたします。
白無垢にあわせる髪型
和装の花嫁様の髪型で一番有名なのは、頭の高い位置で髷(まげ)を結った文金高島田(ぶんきんたかしまだ)です。
様々な日本髪の種類のなかでも一番優雅で高貴な髪型とされていたのが文金高島田で、明治時代以降、花嫁様の髪型として定着したと言われています。
このような日本髪を「全かつら」で仕上げる方もいらっしゃいますが、地毛とかつらを組み合わせて仕上げる「半かつら」、全て地毛で結い上げる「地毛結い」という方法もあり、ご自身の地毛の長さや、前後のお色直しへの髪型チェンジの段取りを考えて選択します。
近年では白無垢に洋髪を合わせる方も多く見られます。地毛でヘアアレンジをすることでかつらの重みの負担がなくなりますし、洋髪に和風の髪飾りや生花を使ってそれぞれの個性を表現しやすくなるというメリットもあります。
日本古来の高貴な髪型で伝統的な花嫁様になるのか、和モダンな雰囲気で個性を表現するのか、自分に相応しい髪型を考えてみましょう。
綿帽子をあわせる
和装での挙式のときに、花嫁様の頭を覆うようにかぶる白い袋状のもので、「挙式が済むまでは新郎以外の人には顔を見られないようにする」という、洋装の花嫁様が被るベールと同じような意味が込められています。
綿帽子は日本髪にも洋髪にも合わせられますが、白無垢を着た花嫁様が挙式時だけ合わせることができる被り物で、色打掛には合わせません。
真っ白な白無垢に、真っ白な綿帽子をかぶった花嫁は、清らかで慎ましい美しさで見る人を魅了するものです。花嫁様だけが身につけることができるその美しさを、ぜひ体験してください。
角隠しをあわせる
角隠しもまた和装の花嫁の頭を覆うもので、白い正絹の布で前髪を完全に覆い、そのまま後ろに回し、髷の上で留めるスタイルです。
「角」というのは女性の怒りを象徴するものとし、角隠しは、その角を隠すことにより淑やかな花嫁であることを示す、など諸説あります。
また、角隠しは、白無垢だけでなく色打掛や引き振袖にもあわせることができますが、洋髪には付けることはできず、日本髪にあわせるものとされています。日本髪であれば、地毛でもかつらでも、半かつらでも合わせることは可能です。
角隠しは着ける位置によって印象が大きく変わります。よく分からないからとヘアメイクさん任せにせず、相談しながらベストなバランスで着けるようにしましょう。
まとめ
白無垢は、神社や寺院、庭園で行う和装の結婚式で着用することが一般的でしたが、現在では前撮りやフォトウェディングで白無垢をお選びになる方も増えています。白無垢を選ぶ際には、不慣れでよく分からないまま何となく選ぶのではなく、その歴史や生地による違い、柄の意味などをしっかりと理解してお選びになると、当日袖を通したときの気持ちがより高まるはずです。自分にとって特別な白無垢に身を包み、特別な一日が過ごせるように、和装についての知識も深めておくと良いでしょう。
ウェディングガーデンでご紹介する三渓園では、和装、とりわけ白無垢が映える、美しく広大な日本庭園、文化財である歴史的な建造物での結婚式がかないます。本物志向のおふたりにおすすめの結婚式、ぜひお気軽にご相談、ご見学ください。