REPORTお客様の声

佳き日を彩る装飾や小物は、
広くゆったりとした有栖川清水・松の間の空間に溶け込むよう、
ひとつひとつ丁寧に選ばれました。

装花は、新緑と白を基調に、
自然光がやわらかく差し込む会場に映える季節のお花を。
天井の高さと開放感のある松の間だからこそ、
空間全体に凛とした美しさが広がります。

他の花嫁やゲストとすれ違うことのない、
一日一組貸切だからこそ叶う、落ち着いたお支度の時間。
ひとつひとつ身支度を整えながら、
ふたりのセンスと世界観が、少しずつ形になっていきます。

鏡越しに視線が重なるたび、
思わず笑みがこぼれる、穏やかなひととき。

緊張と高揚が静かに混ざり合うこの時間も、
有栖川清水で過ごす一日を象徴する、
かけがえのない“はじまり”のワンシーンです。

お仕度が整った後は、館内からそのまま庭園へ。
有栖川清水の庭は、都心にいることを忘れてしまうほど、
静かで凛とした空気に包まれています。

緑が美しく映える庭園を、言葉少なにゆっくりと歩きながら、
差し込む光の角度に合わせて、シャッターを重ねていきました。
趣ある庭の中で、この日、この季節だからこそ写せるひとときを、
ひとつひとつ大切に残していきます。

有栖川清水の前庭で、親族の皆様の集合写真を。
心地よい風、皆様の溢れる笑顔。
この場所にいるのは、おふたりと、これまでずっと支えてくれた人たちだけ。

貸切の空間だからこそ、肩と肩の距離も、心の距離も、自然と近づいていきます。

「少し前へどうぞ」「そのまま、今の表情で」
——カメラマンの穏やかな声に、
かしこまっていた表情が、少しずつほどけていく。

写真の中には、
“特別な人しかいない時間”の空気が、そのまま残りました。

水のせせらぎと、雅楽の調べが静かに満ちるなか、神前式が執り行われます。
おふたりは、これまで支えてくださった皆様の前で晴れてご夫婦として誓いを交わされました。

おふたりで粛然と一礼し、入場。
並び立たれたその瞬間、張りつめていた空気がやわらぎ、空間に穏やかな調和が生まれます。

一棟貸切という特別な設えのもと、
そこに集うのは、おふたりと、縁を重ねてこられた大切な方々のみ。
その親密でありながらも凛とした佇まいが、
挙式の厳かさをいっそう際立たせていました。

神前式を結ばれたあとは、
その静かな余韻を胸に、披露宴会場「松の間」へ。

大きな窓の向こうには、手入れの行き届いた庭園の緑。
やわらかな自然光が差し込み、
料亭ならではの落ち着きと、祝宴にふさわしい華やかさが調和した空間です。

披露宴では、料亭・有栖川清水が誇る料理で、
お越しくださったゲストを心からおもてなし。

ご見学の折に、「このお料理なら」と会場をお選びいただいた一品一品が、
晴れの日にふさわしいかたちで供されていきます。
旬の食材を生かした繊細な盛り付けと、
長年培われてきた技と心を尽くした手仕事に、
会場のあちらこちらから静かな感嘆の声が聞こえてきました。

お椀から立ちのぼる澄んだ出汁の香り。
口に運ぶたび、やさしく、そして奥行きをもって広がる旨みが、
季節の移ろいとともに、祝宴の時間を深めていきます。

「本当に美味しかった」
その言葉と、ほころぶ笑顔こそが、
おふたりが大切なゲストへ贈った、何よりのおもてなしの証。
心尽くしの料理が、感謝と祝福の想いを静かにつなぎ、
披露宴のひとときに、あたたかな余韻を残しました。

新婦のエスコートは、弟様。
大人になってから腕を組むその距離に、
少しだけ、照れくささが混じります。

歩幅を合わせて進むその姿に、
会場からは自然と、あたたかな拍手が送られます。

続いて新郎は、お兄様とともに。
隣に並ぶその背中は、
幼い頃から変わらず、どこか頼もしさを感じさせます。

言葉を交わさずとも、
重なる歩調の中に、
支えられてきた時間と、積み重ねてきた信頼がにじむ。
静かに交わされた眼差しが、
「ありがとう」を確かに伝えていました。

家族との絆が、
この日の中座というひとときを通して、
凛と、そしてやさしく浮かび上がりました。

お色直しで選ばれたのは、艶やかな色打掛。
重なり合う色彩と緻密な文様が、凛とした華やかさを纏い、和の美を際立たせます。

大切なゲストのすぐそばを通って進む再入場。
祝福を間近に感じられる距離感が、このひとときをより印象深いものにしました。

有栖川清水でのパーティを象徴する演出のひとつが、
ウェディングケーキに代わって登場した、有栖川清水謹製の芋羊羹。

艶やかな佇まいの芋羊羹に、新郎新婦が揃ってナイフを入れる瞬間、
会場からは思わず歓声が上がり、和やかな空気に包まれました。

黒豆の蜜煮を練り込んだ芋羊羹は、見た目の美しさはもちろん、
料亭ならではの奥深い味わいも格別。
「お土産にしたい」「もう一つ食べたい」と、ゲストからも大好評でした。

和の趣を大切にしたこの演出は、
単なるサプライズにとどまらず、本格的な味でもてなす有栖川清水らしい一幕に。
会場全体が一体となって盛り上がる、印象的なシーンとなりました。

披露宴のあと、大切な人たちをお見送り。
有栖川清水は一日一組貸切だからこそ、時間そのものを分かち合うようなひとときが生まれます。

ひとりひとりと目を合わせ、言葉に想いを込めて。

「今日は来てくれてありがとう。」
「また、ゆっくり会おうね。」

賑やかさの余韻が少しずつほどけていき、
名残惜しさの中に、穏やかな満足が静かに残る。
有栖川清水らしい、近くてあたたかな送賓の時間でした。

送賓のあと、おふたりだけで最後の撮影タイム。

水の気配とやわらかな緑に包まれながら、
並んで立つふたりの姿は、つくり込まないからこそ自然で美しい。

大きなポーズも、特別な演出もいらない。
ただ寄り添い、同じ空気を感じているだけで、
有栖川清水の静かな余白が、この一日をやさしく締めくくってくれます。

一日一棟貸切の有栖川清水。
名前を呼び合いながら交わす「ありがとう」の言葉が、
安心感に包まれた空間の中で、何度もあたたかく響きました。


「一日一棟貸切だからこそ特別感があり、
ゲストにゆっくり過ごしてもらいたかった私たちにとって、ぴったりの会場でした。
靴を脱いで過ごせる空間も、女性やお子さま連れのゲストに喜んでもらえたと思います」

そして、何より印象に残ったのはお料理の美味しさ。

「試食の時から本当に美味しくて、当日を楽しみにしていました。
実際にゲストからも、品数が多くて美味しかったという声をたくさんいただけて嬉しかったです。
私たちも式後に別室でゆっくりいただくことができて、大満足でした。
芋羊羹は、絶対につけたほうがいいと思います」

料理で心を満たし、空間でくつろぎを届ける。
有栖川清水は、派手な演出ではなく、丁寧なおもてなしと心地よい距離感で、
ゲスト一人ひとりの記憶に残る時間を紡いでくれる場所。

穏やかな余韻に包まれながら、
おふたりの新しい人生は、この静かな一日から、確かに歩み始めました。